FXでは珍しい窓開き
チャート上のローソク足とローソク足の間にできた隙間のことを「窓」と呼びますが、FXでは株式投資とは異なり、この窓がなかなか発生しません。
為替は常に取引されている
FXで窓が開きにくい理由は、FXは為替の取引であり、為替は平日であれば全世界で休みなく取引されているからです。そもそも窓が開く理由はローソク足の終値と次のローソク足の始値との間に大きなギャップが生まれるためです。このギャップは通常、取引が行われていない時間に大きな材料が出てきた場合等に生まれやすいものですから、絶え間なく取引が行われている為替市場では窓が生まれにくいのです。
為替市場の1日のおおまかな流れを見てみると、まずウェリントン市場がオープンして、次に東京市場、ロンドン市場を始めとするヨーロッパ市場と続きます。そして、最後に値が最も動きやすいニューヨーク市場がオープンし、再びウェリントン市場がオープンするということになります。このように為替は常に世界中のどこかで取引されていることになります。
つまり、為替市場は平日には窓が開きにくく、窓が開きやすいのは取引が行われていない週末だけということになります。
一方、株式市場は各市場で取引時間が定められているため、窓が発生しやすいということになります。例えば、東京証券取引所は平日の午前9時から午後3時までしかオープンしていません。その日の取引時間が終了して次の日の取引時間が始まるまでに株価を動かす材料が出てくれば、その日の終値と次の日の始値には大きなギャップができ、チャート上には大きな窓が開くはずです。
大きな窓開きには要注意
ただ、為替取引でも株式取引でも共通して言えることは、窓を開けたということは、マーケットを大きく動かすビッグイベントが発生したということですので、チャート上に開いた窓というのは非常に重要な意味を持ちます。FXでも取引が再開される月曜日に窓が開くことは少なくありませんが、通常発生する窓というのはそれほど大きくありません。しかし、稀に、通常では見られないような大きな窓が開くことがあります。このような時は異常事態が発生しているというサインですので、特に注意してトレードに臨んでください。